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野球、相撲その他

●先日、妻と娘が買い物をしている間、倅と2人でマックで待っていると、彼が急に、
『パパ、相撲見ようよ』
と言い出した。携帯のワンセグで相撲のテレビ中継を見たいというのである。時刻は5時半近くで、そろそろ『これより三役』の取り組みだった。

●テレビを点けてみて驚いた。あまりに倅が真剣に相撲を見るので。時に、おっ、などと奇声を発し、文字通り手に汗握って観戦している。決まり手を教えてやったり、簡単な解説を加えてやったりすると、
『パパ、詳しいね』
なんぞとにこにこする。

●これは昔ながらの父と息子の時間ではないか――そう思うと、奇妙に嬉しいから私も親バカである。私も、子供の頃は親父と一緒によく相撲を見たものだ。大鵬の全盛時代で、私はどちらかといえばライバルの柏戸のほうが好きだった。一番熱心に相撲を見たのは大学生の頃で、ちょうど隆の里と千代の富士が関脇で、どちらが先に大関になるか争っていた時代。関脇が強い場所は面白いというが、まさにその通りで、あの頃の相撲は面白かった。後に2人とも横綱になって一時代を築いたのは周知のとおり。

●結びの一番が終わると、倅、ふーっと息を吐き、
『ねえ、相撲はどこでやってるの?』
と訊く。
『今やってるのは九州だよ。福岡県だ』
『じゃ、見に行けないね』
『1月には初場所があって、これは両国国技館だから行けるよ』
いうと倅、
『ほんと? 行こうよ、ねえ連れてってよ』
と凄い勢い。いいよ、と応じると意外なほどの喜びようだった。

●それにしても意外だった。神宮に連れて行ってやるぞと言っても関心を示さず、サッカーには行きたいとは言ったものの、その後、全く積極的な姿勢を見せなかった倅が、相撲にはこれほど興味を持つとは。

●考えてみれば、一対一の戦いで勝負が早く、勝敗も分かりやすい相撲は、プロスポーツ観戦の入門編にはもってこいかも知れない。私は、子供たちには、相撲でも野球でも映画でも芝居でもいい、<出かけて実物を見る>文化により多く触れて欲しいと考えている。その意味でも、この日の倅の申し出は嬉しかった。

●プロ野球にせよ、相撲にせよ、あるいは映画や商業演劇、寄席などの文化は黄金時代を過ぎ、今や黄昏時を迎えているのやも知れぬ。しかし、それらの文化がきちんと存在しなければ都市の文化などありえない。私はこれから先、私の子供たちには少しでも多くそれらに触れさせてやりたいと考えている。
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[ 2008/11/27 23:46 ] 親ばか | TB(-) | CM(-)
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松井計のプロフィール

松井 計

1958年7月5日生まれ。大学卒業後、英語講師、古書店店主などの職を経験。1995年7月短編戦記小説集「血戦! 帝国艦隊進撃ス――零戦隊激闘記」を松井永人名義で刊行、文筆生活に入る。2001年幻冬舎より刊行した「ホームレス作家」から筆名を本名に戻し、以降は松井計の名前で活動、現在に至る。趣味は野球、酒、猫。社団法人・日本文藝家協会会員。

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