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「家族挽回―離れて暮らす娘との春夏秋冬」(情報センター出版局)

kazoku


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 私と娘との関係を中心に据えた私ドキュメントです。<離れて暮らしている><虐待事案として児童相談所の介入を受けている>といった、特殊な状況にある娘と私との関わりを、それでも、親と子の関わりには、なんら変わるところはない、という主旨のもと、愛情を込めて書き下ろしました。時系列的には、2004年初頭から、2005年初頭までの出来事を記しています。娘との交流の中で私が気づかされたことなどにも紙数を費やし、子育て論、教育論にも広がる内容となっています。また、各章タイトルのページには、私が子どもたちのために作った「パパしんぶん」や、娘が描いた絵も、図版として使用しています。

●主な書評掲載誌紙
日刊ゲンダイ2005年7月15日号
産経新聞朝刊2005年7月25日号

nakatsuri.jpg

「日本中の親に読んで欲しい一冊!」
『ホームレス作家』の著者が、書かずにはいられなかった親子の物語。
人生には、失ってはじめてわかる幸せがある。つながったそばから解けてしまう家族をむすぶ細い糸。激動の四年を生き抜いたその先に見えるものとは……!? [オビの紹介文より]

【詳細目次】

序章  四年の歳月
第1章 再会まで――冬
第2章 小学一年生――春
第3章 サーズデイ・パパ――夏から秋
最終章 明日へ――秋から冬、そしてまた春

○発行元 情報センター出版局
○編集担当  高尾 豪
○装丁    清水良洋(Push-up)
○イラスト  中村留美
○本文デザイン 渡邉雄哉(Pushu-up)
○版型 四六判ハードカバー
○本体価格   1500円
○刊行年月日  2005年6月23日
ISBN4-7598-4402-X
          【立ち読み】

希望は永久に人の胸に湧く。いつも今幸福であることはなく、いつもこれから幸福になるのだ。
                                       ポープ

序章 4年の歳月

 仕事場の時計が、もうすぐ午前零時を差して、日付が変わる。私は今、一日の終わりの、
穏やかなひとときにコーヒーを楽しみながら、今日という日を思い起こしている。
 今日は二〇〇五年二月一二日土曜日で、私は午後を家族四人で過ごしてきた。
 私たち――私と妻、そして娘と息子――は今、同じ東京都内ではあるけれども、離れて
暮らしているのだ。こういった生活が、今年の春で、そろそろ四年になる。四年――長い
時間だ。
 そういう状況は、仮に私か妻のどちらかに、そうしたいという意思があって、社会の側
にそれを容認する論理があるとしても、娘や息子にとっては、過酷で、納得のいかない状
況であることだろう。
 日々の生活のあれこれをいうのではない。そのことが、まったく子どもたちの自己決定
権の外で行われていることに、私は子どもたちの不幸と哀しみを見るのである。今日の午
後の、娘や息子の笑顔が、あまりに楽しそうに見え、無邪気であったから尚更のこと。
 そんな思いに囚われ始めると、哀しみや痛み、悔恨などの、あらゆる負の感情が湧き上
がってきて、私を責め始める。私は、それでいいと思っている。父親として、子らを心か
ら愛するものとして、私には責めを受けなければならない義務があろうし、そして、そん
な中から、現状を変えていく勇気と、強い意志をもたなければならないと思うからだ。

 私たちは今日、東急大井町線下神明駅近くの公園で待ち合わせ、まず、そばの喫茶店で
私と妻はコーヒーを、子供たちはレモンスカッシュを飲んでから、JR京浜東北線大井
町駅近くにあるショッピングセンターへ行った。入り口の前で、チョコレートのワゴンセ
ールをやっている。バレンタインデーが近いのだ。
 私は小学一年生の娘に、
「一四日はなんの日か知っているか?」
 訊いてみた。娘は、
「しってるよ。あたしはなんでもしってるの」
 という。妻が笑って、
「何の日?」
 と訊く。娘はしばらく黙っていた。私が、
「ほんとうは知らないんじゃないのか?」
 からかう調子でいうと、
「バレンタインデーだよ。パパ、あたしからチョコレートほしいの? あげてもいいよ」
 といった。私と妻はそんな娘の態度がおかしくて、つい声を出して笑い、まだ三歳で意
味も判らないはずの弟も、それにつられて笑った。子ども扱いされたことが気に入らなか
ったのか、娘だけはしばらく黙っていたが、やがて彼女も笑い始めた。
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[ 2006/06/14 15:16 ] 書誌データ | TB(-) | CM(-)
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松井計のプロフィール

松井 計

1958年7月5日生まれ。大学卒業後、英語講師、古書店店主などの職を経験。1995年7月短編戦記小説集「血戦! 帝国艦隊進撃ス――零戦隊激闘記」を松井永人名義で刊行、文筆生活に入る。2001年幻冬舎より刊行した「ホームレス作家」から筆名を本名に戻し、以降は松井計の名前で活動、現在に至る。趣味は野球、酒、猫。社団法人・日本文藝家協会会員。

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