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アーカイブ原稿④書評「50代からの選択」

書評「50代からの選択大前研一著(集英社
初出……産経新聞2004年12月12日付号
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 我々作家は、たいていの場合、他業種からの転職者である。学生時代に処女作を発表して、そのままほかの職業を経験せずに専業の作家になる方もいらっしゃるが、そういった例はごくごくく稀で、大多数は何かしら、作家以外の職業を経験している。
 その代わり、我々には定年はないから、一度、作家としての仕事を始めれば、あとは一生、それこそ人生を終える直前まで、作家としての生活を続けることが可能だ。その意味で私たちは、比較的早い時期に、人生の選択を迫られた立場といえるかもしれない。従って、私は今、46歳だが、60歳を過ぎた後のことについて、あまり深く考えたことがない。ただ漠然と、今と同じような生活をしているだろう、と考えるだけである。
 しかし、これまでの日本にあっては、作家をはじめとする自由業者ばかりでなく、いつかは定年を迎えるはずのサラリーマン層も、あまりその後の人生――第二の人生について、深く考えてこなかったのではないだろうか。ひたすら働くことにだけ集中して、リタイアしたあとの人生を豊かに生きる、といった発想がない。これは、高度経済成長時代のライフスタイルである。しかし、時代は確実に変わった。
 大前研一氏は本書で、50代こそ、第二の人生の準備をする旬だと説く。男性の平均寿命78歳の時代にあって、定年後の人生は長い。50代になったら、漫然と日々を生きるのではなく、定年後を豊かに生きるための準備を初めよ、と大前氏は主張する。趣味を持つ必要性など、そのための具体的方法が、事細かに語られている。
 バブル崩壊後、雇用システムをはじめとして、様々なものが劇的に変化した。そんな中で、なかなか変化できずにいるのが、中年以上の世代の精神構造である。本書は、旧態依然とした考え方から抜け出すための、絶好の参考書になると思う。その意味で、定年のないサラリーマン層以外にも、有効な書物である。
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[ 2007/03/02 00:38 ] アーカイブ | TB(-) | CM(-)
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松井計のプロフィール

松井 計

1958年7月5日生まれ。大学卒業後、英語講師、古書店店主などの職を経験。1995年7月短編戦記小説集「血戦! 帝国艦隊進撃ス――零戦隊激闘記」を松井永人名義で刊行、文筆生活に入る。2001年幻冬舎より刊行した「ホームレス作家」から筆名を本名に戻し、以降は松井計の名前で活動、現在に至る。趣味は野球、酒、猫。社団法人・日本文藝家協会会員。

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