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学習雑誌の衰退

 先日、小学館の『小学五年生』と『小学六年生』が廃刊になると発表されたばかりだが、今日は学研の『学習』と『科学』の廃刊が発表された。学習雑誌は難しい時代を迎えているということだろう。

 こういう報道があると、すぐに『少子化の影響』という声が聞こえてくるが、学習雑誌の衰退についてはそれが主たる理由とはいえない。むしろ『時代の役割を終えた』といったほうがより実相に近いだろう。少子化とはいえ、日本は先進国ではアメリカの次に、毎年、生まれてくる子供の数が多い国である。しかも、子供に使う金は昔とは比較にならない。なんでもかでも少子化に逃げてはいけないはずだ。

 『学習』『科学』は最盛期には600万部発行されていたという。これは、書店を通して販売するのではなく、学校などを通じて直販の形を取っていたからこそ成立した数字である。

 独自の流通ルートを作ったからこそ『学習』と『科学』は紙製以外のすぐれた付録をつけることができた。通常の流通ルートでは、当時は国鉄を使って全国へ雑誌を運ばざるを得ず、国鉄の規定で付録は紙製の物しか扱えない時代があったわけである。

 独自の流通ルートゆえ、『学習』『科学』はその規制から自由だった。だからこそ、プラスチック製の物も含め、本格的な付録をつけることが可能になったのである。私も子供の頃、『学習』『科学』の両方を購読していたが、特に『科学』のほうの付録はいつも楽しみだった。付録目当ての購読だったといってもいい。

 日本はまだまだ貧しく、子供の玩具も豊富ではなかった。『科学』の付録は我々、当時の子供にとっては夢のような楽しい玩具でもあったわけだ。ほかの少年雑誌の付録は紙製のチャチな組立付録である。それですら楽しかったのだから、『科学』の本格的な科学玩具が楽しくないはずがない。

 その後、日本は豊かになった。あの素晴らしい『科学』の付録の科学玩具も、今の子供たちには、それだけではさほど魅力的に映らないのだろう。

 『小学●年生』についていえば、勉強とエンタテインメントが共存する形式は、今の子供たちには受け入れられにくいということなのだろう。

 しかし、明らかに『小学●年生』や『学習』『科学』が子供文化のメインストリームだった時代があった。それは〈旧き佳き時代〉でもある。これらの雑誌には私は感謝の言葉を贈り、その歴史的役割を終えたことに、お疲れ様でした、といいたい心境なのである。
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[ 2009/12/03 23:45 ] 日常生活 | TB(0) | CM(-)
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松井計のプロフィール

松井 計

1958年7月5日生まれ。大学卒業後、英語講師、古書店店主などの職を経験。1995年7月短編戦記小説集「血戦! 帝国艦隊進撃ス――零戦隊激闘記」を松井永人名義で刊行、文筆生活に入る。2001年幻冬舎より刊行した「ホームレス作家」から筆名を本名に戻し、以降は松井計の名前で活動、現在に至る。趣味は野球、酒、猫。社団法人・日本文藝家協会会員。

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