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アーカイブ原稿32「太平洋戦争の落とし穴」最終回

■「太平洋戦争の落とし穴」最終回『一参謀の独断が招いたノモンハンの悲劇』
■初出……「日刊ゲンダイ」2006年6月19日号

 今回は太平洋戦争前の事件を取り上げる。
 1939年5月、満州国とモンゴルの国境付近に位置するノモンハンで、日本軍とソ連軍の戦闘が行われた。世にいう「ノモンハン事件」だ。

 32年の満州国成立以来、この地域では国境紛争が絶えなかった。そこで大本営参謀の辻政信少佐は「満ソ国境処理要綱」を起草。関東軍の植田謙吉司令官がこれを示達した。同要綱は国境線が明確でない地域では防衛司令官が自主的に国境を認定し、万一、紛争が起こったら必勝を期して闘うという好戦的な内容。これは陸軍中央の方針に反するものだったが、参謀本部は黙認し、日本政府は関知しない態度を採った。こうして一参謀の独断専行を政府が黙認する異常事態が発生した。
 5月の第1次ノモンハン事件では日本軍は空中戦で優位に戦ったものの敗北。戦力を増強して7月からの第2次に臨んだ。ところが、ソ連軍はさらに戦力を増強。日本軍は夜襲などでやや戦果を収めたものの、ソ連軍の優秀な戦車や火砲には歯が立たず、敗北を喫した。この事件から関東軍の暴走が顕著になり、日米開戦に突き進んだことは歴史が示す通りだ。
 それにしても、一参謀の独断を阻止することができなかったとは陸軍中央も政府も愚かだった。
 今の日本はどうか。与党が選挙で圧勝して以来、教育基本法の改正案や国民投票法案など、国の将来を左右しかねない重大法案が国会に提出される。だが、国会はこれをまともに議論することさえできない。国会も野党も無力だ。我々にはノモンハン以降の暗い世相と同じ未来が待っているのだろうか。
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[ 2009/07/10 22:14 ] アーカイブ | TB(0) | CM(-)
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松井計のプロフィール

松井 計

1958年7月5日生まれ。大学卒業後、英語講師、古書店店主などの職を経験。1995年7月短編戦記小説集「血戦! 帝国艦隊進撃ス――零戦隊激闘記」を松井永人名義で刊行、文筆生活に入る。2001年幻冬舎より刊行した「ホームレス作家」から筆名を本名に戻し、以降は松井計の名前で活動、現在に至る。趣味は野球、酒、猫。社団法人・日本文藝家協会会員。

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