スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

アーカイブ原稿32「太平洋戦争の落とし穴」第18回

■「太平洋戦争の落とし穴」第18回『「一億玉砕」の軍部、「米百俵」の小泉首相』
■初出……「日刊ゲンダイ」2006年6月5日号

 今年の9月でやっと小泉首相の任期が終わる。この5年間、国民は彼の言葉に踊らされ、その結果、日本はムチャクチャになってしまった。
 彼は首相に就任した01年暮れに「米百俵」「聖域なき改革」「恐れず怯まず捉われず」「改革の『痛み』」などの言葉で流行語大賞も受賞している。これらの〝威勢はいいが中身のない言葉〟に国民はまんまと騙され、高い支持率を与えてしまった。その挙句、昨年秋の総選挙で自民党は大量の議席を獲得し、やりたい放題の体勢を整えることとなった。こうした小泉政権の手法は過去の戦争中のプロパガンダ政策と変わらない。 

 当時も日中戦争が長期化して物資が不足してくると、政府は「贅沢は敵だ」「パーマネントはやめませう」という標語によって国民に倹約を強いた。1940年の皇紀2600年式典では「祝へ元気に朗らかに」と国民をお祭り気分に誘い、それが終わったら「祝ひ終わった。さあ働かう」である。国民は標語に踊らされながら戦時体制を整えていったのだ。
 日米開戦後も軍部は「欲しがりません勝つまでは」と戦意を煽り、「屠れ!英米我らの敵だ」で交戦国への敵意を植えた。やがて戦況が末期状態に陥ると「撃ちてし止まむ」ときて、最後は「一億玉砕」「神州不滅」。もうムチャクチャである。
 国民の生活や幸福など一顧だにしない権力者が、言葉一つで国民を操ろうとしたわけだ。為政者が威勢のいい言葉を使い始めたら、その国は政治的な危険水域に入ったといえる。小泉政権の5年間はまさにそうだった。
 小泉後の首相には中身のある、真摯な言葉を望みたい。そうでないと日本は今度こそあの敗戦と同じ地獄を見るかもしれない。
スポンサーサイト
[ 2009/07/10 22:12 ] アーカイブ | TB(0) | CM(-)
トラックバック
この記事のトラックバックURL

来訪者数
松井計のプロフィール

松井 計

1958年7月5日生まれ。大学卒業後、英語講師、古書店店主などの職を経験。1995年7月短編戦記小説集「血戦! 帝国艦隊進撃ス――零戦隊激闘記」を松井永人名義で刊行、文筆生活に入る。2001年幻冬舎より刊行した「ホームレス作家」から筆名を本名に戻し、以降は松井計の名前で活動、現在に至る。趣味は野球、酒、猫。社団法人・日本文藝家協会会員。

メールフォーム
松井計への仕事のご注文は、松井計事務所にご連絡ください。下のアイコンをクリックすると、メールフォームが開きます。


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。