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アーカイブ原稿24「太平洋戦争の落とし穴」第10回

■「太平洋戦争の落とし穴」第10回『「大勝利」の誤報が生んだ惨敗』
■初出……「日刊ゲンダイ」2006年1月30日号

 うかつに他人の情報を信用すると、大変な悲劇に見舞われてしまう。
 44年10月、米機動部隊は沖縄、台湾、フィリピン北部の日本軍航空基地を攻撃した。これに対して日本軍は海軍爆撃機銀河などの新鋭機からなる攻撃部隊を投入。台湾沖で一大航空戦が行われた。世に言う「台湾沖航空戦」である。 

この戦いでは帰還した搭乗員たちが「敵艦が火柱を上げた」「敵機を次々に撃墜した」などと報告。そのため大本営は敵空母19隻のほか戦艦4隻、巡洋艦7隻、艦種不明15隻を撃沈撃破、航空機112機を撃墜したと、ありもしない大戦果を発表した。
 しかし事実は重巡洋艦ヒューストンとキャンベラを大破させただけ。薄暮から夜間の攻撃で若い搭乗員が戦果を見誤ったというのが真相だった。
 ところが、この大誤報は日本軍に敗北をもたらしてしまう。米機動部隊を壊滅させたと思い込んだ海軍は、フィリピンに来襲した米大艦隊を敗走中の残存艦と誤認。一気にレイテ湾に突入するべく捷一号作戦を発動してしまった。その結果、健在の米機動部隊の猛攻撃を受けて小沢機動部隊は壊滅、栗田艦隊のレイテ湾突入も実現しなかった。大惨敗である。
 さて、敗戦から40年後の日本を思い出してほしい。時代はバブル期。無責任なエコノミストの「日経平均は10万円まで行く」という扇動に、民衆も企業も安易に乗ってしまった。そもそも好景気が長く続かないというのは経済学の常識。それを知りながら、民衆も企業も踊り狂ったのだ。
 21世紀の今も同じ。ライブドアの手法が怪しいことは、ちょっと考えれば誰もが判ったはず。なのにマスコミも投資家もホリエモンを〝時代の寵児〟ともてはやした。小泉や武部までが彼を持ち上げたのだから、あいた口がふさがらない。民族の本質はそう簡単には変わらないものなのか。人間、愚かなりである。
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[ 2009/07/08 00:34 ] アーカイブ | TB(0) | CM(-)
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松井計のプロフィール

松井 計

1958年7月5日生まれ。大学卒業後、英語講師、古書店店主などの職を経験。1995年7月短編戦記小説集「血戦! 帝国艦隊進撃ス――零戦隊激闘記」を松井永人名義で刊行、文筆生活に入る。2001年幻冬舎より刊行した「ホームレス作家」から筆名を本名に戻し、以降は松井計の名前で活動、現在に至る。趣味は野球、酒、猫。社団法人・日本文藝家協会会員。

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