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アーカイブ原稿23「太平洋戦争の落とし穴」第8回

■「太平洋戦争の落とし穴」第8回『教育が人の命を奪うという恐ろしい現実』
■初出……「日刊ゲンダイ」2005年12月19日号

 教育とは恐ろしいものだ。教育のあり方で人の価値観が決まってしまう。サイパン島の玉砕はそれを我々に教えている。
 マリアナ諸島にあるサイパン島は日本の絶対防衛圏の要衝だった。ここを米軍に押えられると日本本土への爆撃が可能になる。44年6月11日、米軍はマリアナ諸島への攻撃を開始。当時、同島にいた日本の戦力は陸海軍合わせて約3万人。ほかに在留邦人が約2万5000人住んでいた。
 米軍はまず上陸準備のの砲撃を開始。同時にサイパン、テニアン、ロタなどの島々を空襲した。この空襲で日本海軍の航空機150機が壊滅。日本軍は空からの攻撃力を失い、米軍はサイパン島に上陸した。 

日本軍は必死の抵抗を試みたが、海兵師団を主力とする敵上陸戦力は日本軍の約2・5倍。しかも火力に圧倒的差があったため、7月4日にサイパン島は陥落する。
 このとき日本軍は全員が玉砕を選び、多くの兵士が捕虜になることを恐れて自決した。東條英機が陸相時代に起草した「戦陣訓」にある「生きて虜囚の辱めを受けず」の教えに従ったのだ。
 在留邦人1万3000人も死亡したが、その多くは自決者だった。「捕虜になれば男は殺され、女は強姦される」と教えられていたからだ。米軍にはそんな意思はまったくなかった。戦時下の異常な教育が招いた大量死といえるだろう。
 死をもってすべてを清算するという思想はいまも日本人に残っているのではないか。たとえば会社の倒産に絶望して自殺する会社社長。借金苦で自殺するサラリーマン。彼らは日本人の精神に息づく「辱めを受けず」という教えを具現化しているように思えるのだが、いかがだろうか。
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[ 2009/07/08 00:27 ] アーカイブ | TB(0) | CM(-)
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松井計のプロフィール

松井 計

1958年7月5日生まれ。大学卒業後、英語講師、古書店店主などの職を経験。1995年7月短編戦記小説集「血戦! 帝国艦隊進撃ス――零戦隊激闘記」を松井永人名義で刊行、文筆生活に入る。2001年幻冬舎より刊行した「ホームレス作家」から筆名を本名に戻し、以降は松井計の名前で活動、現在に至る。趣味は野球、酒、猫。社団法人・日本文藝家協会会員。

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