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矢島誠+松井計対談

 きたる3月4日、ミステリ作家の矢島誠さんと私の合作名義、松島京作名で「本所深川謎解き控え 一番手柄」徳間文庫)が刊行されることは、既に昨日の記事で記しておりますが、本作品について、読者の皆さんにより深く知っていただくために、私の事務所のスタッフを聞き手として、矢島誠さんと対談を行っております。本日は、以下にその模様を記します。

tamekichi.jpg

■日時……2011年2月18日
■場所……上北沢・松井計事務所

――いよいよ、「本所深川謎解き控え 一番手柄」の刊行が近づきましたね。おめでとうございます。
■矢島・松井 ありがとうございます。
――やはり、まず最初にお伺いしたいんですが、この作品はお二方の合作という形式ですね。珍しい形だと思うんですが、これはどういう経緯で?
■松井 私は、以前から捕物時代小説が好きだったんですよ。俗に言う5大捕物帳がありますね。岡本綺堂の「半七捕物帳」、佐々木味津三の「右門捕物帖」、城昌幸の「若様侍捕物手帖」、野村胡堂の「銭形平次捕物控」、横溝正史の「人形佐七捕物帳」ですが、「半七」「右門」「人形佐七」は全作を読んでいました。「銭形」は今、全作を読むのはなかなか難しいので、3分の1くらいでしょうかね。「若様侍」については、ちょっと好みから外れて、4~5作読んだだけでした。でもまあ、基本的に好きなジャンルだったんです。
――で、ご自身でも書きたくなった?(笑)
■松井 そう、そう。そうなんですよ(笑)。小説家というのは不思議なものでね、ある程度キャリアを重ねてくると、どうしても書きたくなるジャンルが二つある。時代小説と恋愛小説ですよ(笑)。で、矢島さんとお会いした時に、何気なく、そんな話をしてみたんです。
■矢島 そうだったね。で、たまたま、僕も時代小説をやりたいと考えていた。松井さんが言うみたいに、小説家は年を取ったら、必ず、時代小説か恋愛小説を書きたくなるものなのかどうかは、僕は知らないけど(笑)、時代小説に関心があったんです。
■松井 そこで私が、じゃあ、一緒に書いてみませんか? とお誘いしたわけです。
――でも、二人で一つの作品を書くというのは、なかなか難しいでしょう? そういった不安とか迷いはありませんでしたか?
■矢島 僕も松井さんも、昔、他の人と合作したことがありましたからね。その点では、やり方に不安はなかったですね。
――どこの部分はどちらが書く、みたいに、最初から決めておくわけですか?
■松井 いやいや、違います。まず最初に、登場人物をきちんと決めておいて、全体のストーリーも二人で決めるわけです。それに基づいて、まずどちらかが書き始め、ある程度できたところで、もう一人に渡す。で、その先を書き進めるわけです。
■矢島 相手が書いた部分にも、自由に手を入れていい、という条件でね。
――あ、そうすると、ご自身が書いたところが、書き直されていることもあるわけですか。それで、腹が立ったりはしないんですか。
■松井 全然(笑)。それよりもむしろ、「おー、こうきたか」とワクワクすることのほうがずっと多いですよ。
■矢島 そうだね。その意味では、楽しみも大きいし、真剣勝負の緊張感もあって、充実した面白い仕事でしたよね。
■松井 そう思いますね。合作というのは、二人で書いたほうが原稿が早く仕上がるからとか、一人で書くより量産が効くから、みたいな理由でやるのは邪道だと思うんです。作家にはそれぞれ特質があるわけで、二人で書くことによって、それらが融合してある種の化学反応が起こる。で、新しいものができる。そこが合作の魅力だと思うんですよね。
■矢島 今度の作品は、本当にそういう作品になったよね。
■松井 なりましたね。まあ、自画自賛になりますけどね(笑)
――具体的に言うと、その特質の部分は、どういう分担になるわけですか?
■松井 それは企業秘密ですよ(笑)
――ま、そう仰らずに(笑)
■松井 矢島さんはミステリ作家としてのキャリアがありますから、やはり、トリックとか、その辺りは矢島さんが強いわけですよ。トリック集の本もたくさん出されてますしね。
■矢島 松井さんのほうは、人間関係の綾とか、そういう人間ドラマの部分に力が発揮できわけです。
――では、そういうお二方の特質を生かしながらプロットを作り、作中での人物の動き方などは、それぞれが自由に書き進めるわけですか。
■松井 そうです。で、前にも言いましたように、「これはちょっと違うだろう」と思えば、相手が書いた部分でも、遡って書き直していいわけです。
――それだと、かなり手間もかかるし、精神的にもきついんじゃないんですか?
■矢島 それが不思議なものでね、全然、きつくないんですよ。原稿を受け取ってみて、「なるほど、こう動くのか」と感じたり、「これだよ、これだよ、これが読みたかったんだよ」と感じたりして、新鮮な発見が多いし、勉強になって楽しかったですよ。
■松井 同感ですね。私もものすごく勉強になりました。
――なるほど。二人の息がぴったり合っているようで、これからの展開が楽しみですね。では、具体的な内容について聞きたいんですが……。
■松井 具体的な内容というのは難しいね。ミステリですから、あまり細かな内容については話せませんよ(笑)
――いやいや(笑)、今、松井さんの口から、<ミステリ>という言葉が出ましたけれども、これは時代小説というよりもむしろ、ミステリとしての部分が大きいんですか?
■矢島 うーん、時代小説かミステリか、というよりも、江戸時代を舞台にしたミステリ、という位置付けですよね。
■松井 私も江戸時代という要素が大きいと思います。しかも、場所も江戸ですね。その要素が大きい。その意味では、時代小説というよりも、江戸小説。江戸の雰囲気、魅力をきちんと書き込んだ上で、ミステリとしての骨格もしっかりしている、そういう作品を目指しました。
■矢島 現代を舞台にしたミステリでは、科学捜査などが発達していますから、どうしても扱えないトリックもある。しかし、舞台を江戸に設定すると、それが可能になりますね。そうすると、トリックの解決も、科学技術などに頼らず、論理的な推理が中心になる。この辺りが捕物帳の魅力だと思いますね。その面白さを狙っているわけです。
――第一章の「二人亡骸」の事件なんかはまさにそうですね。
■松井 ですね。ミステリである以上、詳しくは話せませんが、江戸時代ならではの事件にできたと思います。あれは、現代では設立しない話ですね。
■矢島 指紋採取技術もないし、DNA判定もない。そういう時代だからこそ、成立する話だし、解決には論理的推理が必要になってくるわけですよね。そこは上手く作れていると思います。
――なるほど。で、先ほど、松井さんが仰った江戸の雰囲気、魅力の部分ですが、特に力を入れられた部分はありますか?
■松井
 まあ、全体的に、江戸情緒を出すことを心がけましたが、特にといわれれば、作中人物たちの会話部分。そこに江戸ならではの掛け合いの面白さ、それを出せるように努力したつもりです。
■矢島 後は、盛り場の雰囲気かな? 両国広小路辺りの賑わいの部分で……。今の東京にはないよさがありますからね。
――江戸に対する郷愁のような……。
■松井 その部分を、読者に感じてもらえれば嬉しいですね。
■矢島 江戸時代というのは面白いもので、今の我々の生活の中にあるものが、原初的な形でほとんど存在するわけですね。「天が下に新しいものなし」というけれども、もちろん、大きく変化してはいるけれど、江戸の生活と今の生活が、完全に隔絶しているわけではない。だからこそ、現代人は江戸に郷愁を感じるわけで、その部分には特に、力を入れたつもりでいます。
――読んでみて、私もそういうふうに感じました。
■矢島・松井 ありがとうございます。
――今度の徳間文庫から出る「一番手柄」は、「本所深川謎解き控えシリーズ」の第一作と考えていいわけですね?
■松井 そうですね。シリーズとして、何作か書き続けられればと考えています。
――矢島さんと松井さんの合作、松島京作名義で、ほかのシリーズをお書きになる予定もあるんですか?
■矢島 ええ。今、松井さんとプロットを作っている最中なんですが、「本所深川謎解き控え」を含めて、3つくらいシリーズを作りたいと考えています。
――それも、江戸時代を舞台にしたミステリ、ということですか?
■松井 今、考えているのは、ある旗本の子息を主人公にしたシリーズと、盗賊を主人公にしたシリーズです。「本所深川謎解き控え」のシリーズのように、いわゆる捜査官を主役にしたものとは毛色が違いますが、こちらのほうも、ミステリ風味のあるシリーズにしたいと考えています。
■矢島 我々が合作で書く以上、そこが特徴になってくると思いますからね。
――ありがとうございました。今後の展開を楽しみにしています。

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[ 2011/02/22 01:16 ] 書籍 | TB(0) | CM(-)

「本所深川謎解き控え 一番手柄」(徳間文庫)

 以前より告知しておりました時代小説の刊行が決定いたしましたので、以下に詳細を記します。

tamekichi.jpg

■タイトル「本所深川謎解き控え 一番手柄」(松島京作名義=松井計+矢島誠
■版元 徳間書店(徳間文庫)
■カバーイラスト 吉川聡子
■カバーデザイン 高島ヒロキ
■編集担当 梶山聡
■書籍コード ISBN978-4-19-893328-9
■刊行日 3月4日
■定価 660円(税込み)

●主な書評掲載紙誌

夕刊フジ2011年4月7日号  ★内容を読む★

 【主要作中人物紹介】

◆石原の為吉……「軽業の親分」と呼ばれる御用聞き。元は、軽業一座の花形芸人だったが、ある事件に巻き込まれて女房と子供を失ってしまう。そして、更なる悲運に教われるが、半年前に江戸へ戻り、御用聞きとなった。
◆神崎勇之進……北町奉行所定町廻り同心。亡き父、左内の後を襲って同心に。しかし、その父、左内の死の背後にもなにやら、深い闇が潜んでいる……。
◆おたか……本所二ツ目に<たかや>という縄暖簾を出している女。
◆陸造……為吉の子分。ひょろりとした長身の優男。軽口を叩く癖がある。
◆弥助……為吉の子分、陸造の弟分。花川戸の商家の三男坊だが、軽業好きが高じて、勘当されている。

 【詳細目次】

●第1章 二人亡骸
 江戸に大嵐が吹き荒れた翌日、大川端に女の死体が上がった。死体は顔が潰れている上に全裸で、どこの誰だか判らない。そこへ、花川戸の大工、与五郎が自分の女房のお道の遺体に間違いないと名乗り出てくるが……。

●第2章 下手人二人
 清水屋の番頭、五郎助が何者かに刺し殺された。自訴してきたのは、かつて為吉と見物の評判を二分していた花形芸人だった。海鼠水母の異名を持つその男は、血痕の付いた凶器の出刃包丁も持っていた。しかし、何かがおかしい……。

●第3章 二人芝居
 玉田長屋にひとりで暮らしいてる女、おふくが喉を掻き切って殺された。しかし、どうやら、遺体が発見された場所と、殺害現場は別らしい。探索を続けるうち、おふくの意外な過去が明るみになる。そして、死んだおふくの周辺に、不審な浪人者の影がちらつく……。

※尚、本作は、ミステリ作家の矢島誠さんと私の合作名義、松島京作名での作品となります。向後、本シリーズに限らず、時代小説のジャンルでは、矢島誠さんとの合作で作品を刊行する予定で、その場合の筆名はすべて松島京作となります。


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[ 2011/02/21 10:29 ] 書誌データ | TB(0) | CM(-)
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松井計のプロフィール

松井 計

1958年7月5日生まれ。大学卒業後、英語講師、古書店店主などの職を経験。1995年7月短編戦記小説集「血戦! 帝国艦隊進撃ス――零戦隊激闘記」を松井永人名義で刊行、文筆生活に入る。2001年幻冬舎より刊行した「ホームレス作家」から筆名を本名に戻し、以降は松井計の名前で活動、現在に至る。趣味は野球、酒、猫。社団法人・日本文藝家協会会員。

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